心がささくれたとき、自分はよくこの曲を聴きます。
歌詞も、曲も、歌声も、この幻想的なMVも、全部大好きでした。
たまたま家事をしつつ「ながら見」をしていた音楽番組でこの軽やかに
弾むようなイントロが流れ(なんだ?なんだ?)と手を止めて見ていたら
そのまま釘付けになってしまったのでした。
慌てて「赤い公園・交信」と殴り書きでメモを取ったことを覚えています。
……恥を忍んで書きます。
本当のところ、還暦という人生の大きな節目を迎えた今でも時折私は
「自分がこのまま死ぬまで大人であり続けなければならないこと」
が、つらくてつらくて堪らない時が年に何回かあります。
「大人なら常識」とされることを全く知らなかったり、上手くできなかっ
たり、あまりにつらくて家族から隠れ自室でひとり涙することさえ稀に
ではありますが、いまだにあります。
実際は彼女たちのお母さんとほぼ同世代である私。
でも、私はこのMVの幼い少女の中にいつも心の中の自分の姿を重ねて
しまいます。そして、子守唄を聞きながら眠ってしまう赤児のように、
深く癒やされます。
後年、津野米咲さんが亡くなったことをTwitter(当時)で知りました。
憶測であれこれと背景を探るようなことをしたくなかったので
(きっと津野さんは、一足先に月に帰って行ったんだな…)
と思うことにしました。
偶然に出会った、この不思議なMVそのままに。