茶飲みアリクイ雑記帳

美味しいお茶とお菓子、オオアリクイグッズ収集、カメラ嫌いな愛猫 … 身の丈に合った生活を楽しんでます。

アクシデントがありまして…

我が家は飲酒の習慣がありません。

私の場合、お酒の種類によっては嗜む程度には飲めるんですが、夫と娘が

揃ってアルコールに弱い体質のため一人で飲むのもなんだかなー、という

感じで。私自身も自発的にお酒を飲みたいと思うことはないのですが、

たま〜に無性に洋酒の香りの効いた大人味のお菓子は食べたくなります。

そんな私にピッタリなお菓子をみつけたので注文してみました。

 

ティーポンド「プリンセスライチ」をアイスで。

「えッ、リキュールとマロンを使ったお菓子にライチとローズの香りの紅茶?」

と思われた方、正解です。あんまり合いません。

全く合わないというほど酷いこともないんですが、香りの質が違いすぎるので、

10段階で言うなら4ぐらいでしょうか。

よくご覧頂くとおわかりかと思いますが、色もコーヒーと間違えてしまいそうに

濃いし、なんなら若干「魔のクリームダウン現象」まで起きています

(この画像ではわかりにくいですが、4枚目の画像はそれっぽいです)。

なぜ、こんなことになったのかと言うと……

 

スイスコンディトライ「リキュールマロン」

実はこの時、プリンセスライチは別のお菓子と合わせるつもりでした。

桃を使った洋菓子だったので、相性はこの上なく良くなるはずだった んです。

でも… ちょっとしたアクシデントがあって、その状況に大慌てで対処している内に

ティーバッグを取り出すことを忘れてしまい、気づけば4〜5分経っていた、と、

そういう背景でこうなりました…

そのアクシデントの結果、桃のお菓子は画像として載せられない悲惨な状態に

なってしまったので、急遽ちょうど家の冷蔵庫内で解凍していた食べ頃の

リキュールマロンにピンチヒッターとして登場してもらったという訳です。

本来このリキュールマロンは別の日に、チョコレートフレーバーのミルクティー

と合わせるつもりでした。これまた 相性は最高になるはずだった と思います。

 

このリキュールマロン、熊本県内ではとても有名なお菓子だそうです。

ケーキ生地には大量のリキュールシロップがしみっしみ ♪ にしみ込んでいて、

間には渋皮付きマロンをふんだんに散りばめたバタークリームがこれまた

た~っぷりとサンドされていて、ちょっと前に大流行したマリトッツォのような

太っ腹感を感じます。

結構ボリュームがあり、甘さは強め、

カロリーもチョイ高い!

でも、一度食べたらずっと記憶に残って、ふと無性に食べたくなる系の味だと

思います。

ちなみにアルコールの香りは強いものの実際に食べてみると思っていたより

度数は低いらしく、試しに1個を半分ずつ夫と娘に分けて振る舞ったところ、

全く酔う様子もなく二人とも口々に「ウマい(・∀・)!」「美味しい!」とのこと

でした。私の舌にはかなり甘~く感じたのですが、ブラックコーヒー好きな夫は

「コーヒーと一緒に食べるならこれぐらい甘い方が美味いよ( ・∀・)!」

だそうです。

 

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隅に置いた文庫は最近本屋さんで見かけ装丁が気に入って衝動買いしたものです。

いわゆる昔のレコードに例えると「ジャケ買い」のような不純な動機でしたが

読んでみるとこれが想像以上に素晴らしく…

静かに心に響く良書でしたので、今回のアクシデントのお詫びも兼ねて、簡単に

紹介させてください。

 

翼と足に障害を持って生まれたためか母鳥に見捨てられた一羽のスズメの雛。

著者のクレア・キップスさんはまだ目も開いていなかったこの小さな命を保護し、

懸命に育てます。

クレアさんの職業はピアニスト。

生活の中に常に音楽がある環境の中で、クラレンスと名付けられたこのオスの

スズメは次第に不思議な才能を開花させて行きます。

彼女にとってクラレンスは日本人の私たちがついつい想像してしまいがちな

主従関係の「ペット」ではなく、家に同居人がひとり増えたかのような関係。

そんな「ルームメイト」と過ごした日々が終始冷静で客観的な観察眼のもとに

淡々と語られて行きます。

スズメというほんの小さな生き物の命を私たち人間のそれと全く変わらずに

扱うこと、常に尊厳を忘れずに接するということは大変難しいと思うのですが、

彼女はクラレンスの命が燃え尽きたその瞬間まで見事にそれを貫いたのです。

 

最近読んだ本の中では文句なしに一番のオススメです。

 

「ある小さなスズメの記録 

人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯」

クレア・キップス 梨木香歩/訳 文春文庫