茶飲みアリクイ雑記帳

美味しいお茶とお菓子、オオアリクイグッズ収集、カメラ嫌いな愛猫 … 身の丈に合った生活を楽しんでます。

ツル植物みたいな人(笑)

今週のお題「読書感想文」

 

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お題「読書感想文」ということで、お笑いコンビのオードリーの若林正恭さんの

「完全版 社会人大学人見知り学部卒業見込」の感想です。

 

自分は特にオードリーの大ファンということもなく、単に若林さんとは誕生日が

同じだったことと、以前どこかで聞き及んだ番組でのエピソードがずっと

心に引っかかっていて軽い好奇心から読みました。

 

そのエピソードというのはあまり親しくない番組スタッフと二人きりで狭い部屋に

いなくちゃいけないという、ちょっとしたドッキリというか、要は若林さんの反応を

見て楽しむという内容だったらしいです。

当時の若林さんは割と口下手というか、若者言葉で言えば「コミュ障」だった

らしく、そのスタッフの方が黙ったままの若林さんに気を遣っていろいろ話を

ふったらしいのです。ところが何を言っても若林さんが「んー」とか「はぁ」とか

相槌を打つ程度で会話のやりとりがちっとも続かないので、そのスタッフの方が

 

「うちの娘がオードリーのファンなんですよ」

 

って言ったそうなんです。

そんなことを言われたら普通の芸人さんだったらおそらく

 

「えっ、そうなんですか?ありがとうございます!

いやあ、うれしいな~!」

とか

「じゃあ、せっかくだから僕、娘さんにサイン書き

ましょうか?お名前はなんておっしゃるんですか?」

とか

そんな返事になると思うんですがそれを聞いても若林さん、相変わらずの生返事で

手に持った缶コーヒーの成分表示をひたすらじーっと

眺め続けて黙っていた んだとか。

あくまでも人伝えに聞いた話なので真偽はわかりませんが、それが本当なら

(おいおい、どんだけ口下手なんだよ!)

っていう感じですよね。

 

その話を聴いて以来、うわぁ、自分と似ているなぁ… と思っていました。

私も極度の人見知りで、初対面の人とは緊張してしまってうまく話すことが

出来ません。勇気を振り絞ってなんとか話しかけたとしても……

 

私、実はめちゃくちゃ声が低いんですよ。

 

映画コメンテーターの LiLiCo さんや漫画家の ヤマザキマリ さんみたいな

感じの声と言ったら伝わりますでしょうか?

(声そのものの質はLiLiCoさん、話し方はヤマザキさんに似てるらしいです)

声が低い人(男女問わず)あるあるですけど、声を発しただけで相手が一瞬、

ほんの一瞬ですがギョッとして目を見開くんですよね。

(あれ、相手に悪気はないとわかってはいるんですが少々傷つきます…)

そこからはもう、なんかしどろもどろになってしまって……

当然ながら同じ日に生まれたからって、生まれ年も違えば出生地も出生時間も

異なるわけで同じ性格なんてありえないんですが、親近感を抱いていました。

 

で、本を読んでみるとまあ、出てくるわ出てくるわ「こじらせ」系 思考の

あれやこれ。もう、どうやったら些細なことをそこまで考えすぎてしまえるのかと…

でもね、書いたのが若林さんだから読んでいる側の私はニヤニヤ笑っているわけ

だけれど自分を重ねて透かして見れば、ああ、私もこういうところあるよなぁ、と。

ということは他の人からすれば「おかしな人だな」と同じように笑われているん

だろうな、と。

 

それでも読み進めていくにしたがって、若林さんが実はああ見えて根っからの

「人間好き」な方なんだということに気づきます。

自分一人で考えてもわからないとき、若林さんはしばしば周囲の誰かに率直に

その疑問をぶつけているのです。これは意外でした!

だってこれって相手を信頼し、心を許していないとできないことですよね…?

自分のわからない「問いかけ」を赤裸々に、もしかしたら一笑に付されて赤っ恥を

かく可能性だってあるのにぶつけることが出来るって、とても凄いことだと思うん

ですよ。

 

一見とっつきにくそうな若林さんだけど、やっぱり学生時代体育会系だっただけ

あって、人(先輩など)に「疑問点を尋ねる」ということを厭わない。

そこが決定的に私とは違う。

本来はとても素直な方、人懐こい気質の方のように私は思いました。

 

それを証拠に中盤以降の若林さんの考え方や日々の楽しみ方はどんどん変化して

広がりを見せていくのです。これには「すごいね、良かったね!」と感じる一方、

以前のこじらせ過ぎてちょっとねじれていた若林さんを可愛くも思っていた自分に

とってはちょっと寂しいような、まるで我が子の成長を見守る母親の目線のような

感想を抱いたり…(笑)

 

でも、この本を読んだらみんな若林さんのこと絶対応援したくなるんじゃないかな。

好きにならずにいられないでしょ、こういうちょいちょいねじれながらも上へ上へ

向かって成長して行こうとする ツル植物 みたいな人!!